99歳から受け取ったもの
あなたは、大丈夫
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少し、ブログの日にちがあいてしまいました。
実は私のもうひとりの祖母、こちらも99歳だったのですが亡くなりました。
先日に続いて、今月2度目のお葬式でした。
亡くなる直前、水や食べ物の摂取ができなくなったことから、お医者様に「あと数日」と言われたと聞き、急いで会いに行ってきました。
そこで私が受け取ったものを、記録として今日は書きます。
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私が会いに行くと祖母は寝ていましたが、父と一緒に手をさすっていると目を覚ましたようでした。
認知がかなり進み、眼も耳もほぼ分からず、声も出ない状態ではあったのですが。
一瞬、手に力が入り、瞳が私を見た気がしました。
きっと、本当は、誰が目の前にいるのかも分からなかったのかもしれませんが、
私には、「あら、ひさしぶりね。みんな元気なの?」と話しかけているような気がして「元気だよ。みんな元気」と答えました。
すると顔が、笑ったようにちょっと動いたのです。
「あなたは、だいじょうぶ。大丈夫ね。」そう言われた気がして、うんうんと頷いて手をさすりました。
もう、手先も足先もチアノーゼですごい色になっていたのですが、私は祖母と、そんなやりとりをしました。
実際のところはどうであれ、私が一瞬見えたのは、昔一緒に暮らしていた頃の、懐かしい祖母の顔でした。
その約5時間後、
祖母は息をひきとりました。
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同居していたこの祖母は、何があったとか、最近どうだとか、ごちゃごちゃ説明しなくても、全部分かってくれている。全て受け入れてくれる。そんな気がして安心できる存在でした。
私が最期に会えて、元気にしていると伝え、あなた大丈夫ねとほほえんでくれたこと。
祖母から、なにか大事なものをしっかり受け取ることができた気がします。
それから葬儀となり、お経をあげてくださったお寺のご住職の言葉で、その受け取ったものがはっきりしました。
祖母は
たまたまお寺で隣同士になった方と仲良くなり、一緒に縫物をしたりする友達を作っていたそうです。ご縁をつなぐ方だった、と。ここに集う皆様も、縁あってご家族となられた、祖母が繋いだのだと。
私も今まで、不思議とご縁が繋がって何かにたどり着くという経験をたくさんしてきました。
あの時、あの場に出かけていたから、今のこれがある、と感謝することがたくさんあります。
きっと、祖母からそういう、ご縁を大事にすること、感謝することを教えて貰っていたのだと思います。
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祖母と一緒に庭仕事をし、草花のことを知りました。
梅干しづくりやぬか床の世話をして、手間暇かけることを知りました。
初めて包丁を持って、果物の皮をむきました。
中国の方直伝の水餃子の皮のこね方、作り方を伝授してもらいました。
縫物、編み物をしながら近所のおばあちゃまとお茶しておしゃべりしました。
時々お泊りをして、たくさん本を読んでもらいました。
何度言っても「シチュー」を「すちゅー」と言うのですが、発音としては正しかった!と気づいたのは私が大人になってからでした。
祖父が亡くなったその時、一緒に助けようと奮闘しました。
ゆっくりゆっくり、丁寧に話をしてくれるのを聞くのが、大好きでした。
子ども時代、こうやってたくさんの時間を過ごしました。
そんな大事な時間を、私もまた穏やかに過ごせることを、私の「しあわせ」という形で願っています。
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祖母の遺影は、私の結婚式の日にいつの間にか撮影していた写真でした。
もう10年以上前ですが、それ以降正面で写っている写真はなかったそうです。
いつも誰かのことを気にかけて、誰かのほうを向いて横顔ばかりだったようです。
祖母らしい。
私も私らしく、ご縁を繋げていこうと思います。